ISMAEL QUINTANA

Amor, Vida y Sentimiento

1977 [Vaya VS62]
 2000年を境に様々なオールスター・アルバムがリリースされている。こういったCDに関してのレビューを書いていて、「ゴージャスな」というありきたりな形容が多く登場することに気が付き、果たして「ゴージャスなアルバム」というのは、過去の自分にとってどんなものであったかをふと考えてしまった。で、真っ先に頭に浮かんだアルバムがコレ。エディ・パルミエリ楽団〜ファニア・オールスターズで知られるイスマエル・キンターナの1977年のアルバムである。
 かつてファニア・オールスターズのシンガーたちの中にあって、エクトル・ラボーやイスマエル・ミランダのような若者代表や、チェオ・フェリシアーノ、サントス・コローン、エル・コンデたちのような強烈な個性が前面に出たシンガーたちと、ちょっと異なるエレガントな雰囲気を漂わせていたのがイスマエル・キンターナ。彼の来日後翌年にリリースされた本作は、ファニア系アーティストをどっさり動員させた過去の2枚のソロアルバムをさらにスケール・アップさせ、ルイス・ペリーコ・オルティス、パポ・ルッカのような優れたアレンジャーを起用し、チャランガとは別立てのストリングスを多用した正に「ゴージャスな」アルバムなのである。ボレロやソン・モントゥーノはもとより、マンボ、プレーナ、メレンゲと、曲のバリエーションを問わず伝わってくる彼のエレガントな魅力は、マチート楽団、コルティーホ、カル・ジェイダー、ジョニー・コローン他、ワイドなジャンルでの録音に関わってきたキャリアにも因るのであろう。いくらイケイケのダンス・チューンを持ってきても根っからの品の良さを隠し通すことのできない、美しくも淑やかなサルサがこのアルバムには敷き詰められているのだ。(2000.03 SY)