RALPH IRIZARRY & TIMBALAYE

Best Kept Secret

2000 [Shanachie 66026]
 このティンバライエにしろ、かつてのセイス・デル・ソラールにしろ、 ラテンの革新的なフィールドで活躍する中にあって、ラルフ・イリサリーの叩き出すティンバレスの音は、いつもアフリカン・ルーツを強く感じさせてくれる。カスカラ(胴部分を叩く奏法)が慣れ親しんだシーンに、彼の効果的なカウベルやブロックの使い方が、そんな気を起こさせるのだろうか。アンディ・ガルシア制作のフィルム、カチャオの“Como Su Ritmo No Hay Dos”において、終盤のデスカルガやコンガ・ナンバーでの、ベーシックに潜む攻撃的なティンバル・プレイなどは、彼を印象づけるワンシーンといえよう。
 さて、前作よりもベースの音が俄然良くなったティンバライエの2作目。ブラス・セクションに多少のメンバーチェンジはあるが、相変わらず各楽器間のスリリングなユニゾン・ワークが冴え渡っている。ティンバライエのボブ・フランセシーニは、チコ・オファリルのレコーディングなどの他、様々なラテンミュージック・シーンで活躍するサックス奏者。またアレックス・ノリスもアンディ・ゴンサレスのルンバ・クラブなどで既に名を知っている方もいるのではなかろうか。今回はこういったメンバーたちの優れた作曲能力にもスポットが当てられている他、ピアノのルイス・ペルドモやベースのワルド・チャベスがメンバーとして関わっている関係上、ビエント・デ・アグアの面々の参加で強力なプレーナを聞かせてくれている。また前作に引き続き、ベネズエラのベスト・トロピカル・アンサンブル、グアコの主軸であるファン・カルロス・サラスによる曲が含まれているが、こういったプログレッシブなジャズファンクも、もはやティンバライエのお家芸と言っていいだろう。
 ラテンジャズにカテゴライズされる音楽は様々なバリエーションをみせるが、ラルフ・イリサリー率いるティンバライエのアフロ・カリビアンの伝統にのっとった無二の個性からは、どうにもちょっと目が離せそうにない状況だ。(2000.06 SY)