JOSE CONDE

Esencia

2001 [Blu Iris]
 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの一連のムーブメントの看板のひとりであるコンパイ・セグンド。ハバナに渡って発展する以前の、トローバの流れを強く感じさせる伝統的なソンやグアヒーラの魅力に、彼を通して魅了させられたファンも少なくないだろう。ボンゴが軽快なアクセントを効かせ、ベースが踊るようにシンコペートし、トレスが心地よくスイング、叙情的なメロディに乗った歌が胸を熱くする。サルサやティンバを含む、現在の大所帯編成の様々なソンの発展型にもそのテイストは活かされ、ソンはキューバ音楽が誇る大きな自慢にもなっている。
 キューバン・アメリカンのシンガー/ギタリスト、ホセ・コンデがリリースした "ESENCIA" は、ニコ・サキートやビエンベニード・フリアン・グティエレスといったソンの歴史を作ってきた作曲家たちの作品を取り上げ、当時の小編成のソンの持つアコースティックな魅力にこだわったアルバムである。新しい世代による、伝統ソンへのリスペクトに満ちた作品だ。
 ホセ・コンデのさらりとした押しつけがましくない歌も好感が持てるが、歌に寄り添うような女性ボーカルをフィーチャーしたり、コンガ&ティンバレスやピアノを加えたコンフント、キューバ伝統のスプーンを用いてみたり、と曲によって編成をアレンジし、飽きの来ない演出も工夫されている。
 キューバ音楽のパーカッシヴな魅力だけでなく、トレスやギターの持つ弦楽器の魅力や、先達の名曲の持つ詩情の豊さををあらためて実感させられる。(2001.12 SY)