GERARDO ROSALES

La Salsa Es Mi Vida

2001 [Javaanse Jongens Tracks 77008]
 主な活動の場がオランダということもあって、日本での知名度がイマイチなのが、このベネズエラン・パーカッショニストのヘラルド・ロサレス。ウィリアム・セペダやダヴィッド・サンチェス、チャーリー・セプルベーダといったプエルトリコのミュージシャンたちが、ジャズの分野に故郷のボンバ&プレーナを持ち込んでいるように、ヘラルド・ロサレスもガイタやホローポといったベネズエラのフォルクローレをジャズとミックスさせ、以前からユニークなサウンドを創り出している。
 さて今回のアルバムは、レギュラー女性シンガーのアストリッド“ラ・オランデーサ”を引き連れ、ニューヨークに乗り込んでのカッチリとしたサルサ。迎えるのもフランキー・ヴァスケス(vo)、ラルフ・イリサリー(timbales)、ルベン・ロドリゲス(b) 他、ニューヨークのサルサ/ラテンジャズのレコーディングでよく知られた連中。なかでもルイシート・キンテーロ(perc) 、ロベルト・キンテーロ(perc)、ルイス・ペルドモ(p)、マーロン・サイモン(ds)、ネルソン・エルナンデス(sax) 、ラウル・アグラス(tp)、パブロ・サンタエージャ(tb) など、ピカピカのニューヨーク・サルサを支えながらも、実は隠れベネズエラン(別に隠しているわけじゃないけど)が顔を揃えているのが面白い。
 自作のオーセンティックなサルサも魅力だけれど、マラカスさばきに注目したいホローポ(もちろんクアトロやアルパといったオリジナルのアンサンブルではない)や、ラテン・スタンダード、オティリオ・ガリンデス(ベネズエラの作曲家)の「Caramba」なども、ヘラルド・ロサレスならではの興味深いピックアップ。
 また、アルバムの目玉ともいうべき、フランキー・ヴァスケスが歌う火の玉チューン「El Hijo Del Sonero」。こちらもベネズエラのサルサ・クラシックで、作曲はロベルト&ルイシートの親父/叔父にあたる、歌手リカルド・キンテーロによるもの。ジョニー・パチェーコの楽団で働く若きシンガー、レイ・ヴィエラがよじれるコロ(コーラス)を聞かせてくれる。二人のキンテーロのソロを呼び込むカッコいいコロに腰が砕けます。ビバ!ビバ!キンテーロ…!
 ティト・プエンテに捧げるズバリ「Para El Ray」で、ラルフ・イリサリーのお茶目なティンバレス・ソロに続いて登場する、トランペット・ソロを披露するペドロ・エミリオ・ロドリゲスは、ピート“エル・コンデ”ロドリゲスの息子、こちらも頑張り倒してます。
 サルサ中心のアルバムであっても、やっぱりラストを締めくくるのはラテンジャズ、パキート・デ・リベーラで知られる「Friday Morning」。華麗なソロを聞かせてくれるのは、来日の記憶も新しいキューバン・サックス・プレーヤー、なんだか最近やたらと売れっ子のジョスヴァニー・テリー。
 シーンを支えるミュージシャン、未来を背負って立つミュージシャンによる、随所に埋め込まれた先達へのトリビュートに敬服。折り目正しいアルバムです。(2002.09 SY)