FREDDY CRUZ

y La Fuerza Latina

2002 [Discos Fuentes 11184]
 シビれるジャケット。プエルトリコの名アレンジャー、クト・ソトやラモン・サンチェスらが組んでいた、イスラ・ボニータ1990年のアルバムを思い出しました。いかにもカッパライに長けてそうな海賊姿だったなあ。
 バイキングの格好をしたトロンボーン奏者“El Vikingo De La Salsa”フレディ・クルース。何故サルサのバイキングなのだろう。食いっぷりが良さそうな感じはするけど…。コロンビアのサルサ・アルバムにありがちとはいえ、コロンビア北部のカリビアン・リズムの伝統をユニークな方法で表現した、2000年にカイマン・レーベルからリリースされたロス・ブラボス・デ・ラ・エスキナのCDでは、歌い手としての才能も披露していたけれど、今度のフエルサ・ラティーナではどうやらトロンボーンに専念しているようだ。ホーン編成も今回はトロンボーンのみ。とはいえ、メレンゲ、カリベーニョ、パチャンガ(いずれもCD表記上)などアフロ・カリビアンリズムも相変わらず取り入れ、コロ(コーラス)の挟み具合なんか、ロス・ブラボス・デ・ラ・エスキナとの共通項は多い。
 近年、自己のバンドや同郷のアーティストのサポートのみならず、ニューヨーク〜プエルトリコのアーティストのプロデュースを務めるなど、八面六臂の活躍をみせるディエゴ・ガレー。彼の最近の仕事に、トレスを導入、強力なヒップシェイク・チューンを全開にしたプロジェクトがある。コンフント・クリオージョやサンティアゴ・セロンのレコーディングがそれだが、こうしたコンフント・クラシコ風(というかモロ)のサウンドは、コロンビア・サルサのトレンドのひとつなのだろうか。このフレディ・クルースのアルバムに含まれるサルサ・ナンバーも、同様なテイストを含んでいる。抱える歌手のひとりは決してウマイとはいえないけれど、ほとばしるアドレナリンと「いっちまえ」の猛進ぶりは素敵だ。
 このところコロンビアのトップレーベル、フエンテスからリリースされているDVDやCDに、しばしば“HARD SALSA / SALSA DURA”という表記を目にする。これはもちろんキューバのティンバ・ムーヴメント以前に呼ばれていたものではなく、単純に腰の入ったダンサブルなサルサを指すようだけれど、フルーコのような古参もさることながら、こうしたカテゴリのなかから新しい勢力が次々と現れてくる、コロンビア・サルサの勢いには目を見張るものがある。(2002.12 SY)