PUERTO RICAN MASTERS

Los Maestros De La Salsa presents
La Historia De La Salsa


2003 [AJ Records 13592]
 このところ様々なサルサのベテラン勢、特にプエルトリコの老舗楽団が、結成○周年記念としてライヴ・レコーディングを次々とリリースしている。トミー・オリベンシア、グラン・コンボ、セレクタ、ボビー・バレンティン…など。今回特別に「プエルトリカン・マスターズ〜サルサのマエストロたち」と銘打たれたこのオールスター型の楽団も、近年サルサ第一世代が次々と惜しまれつつ他界していく中、ひとつの時代の区切りを感じさせるライヴ・アルバムをリリースした。そのプエルトリカン・マスターズの仕切は、1980年代のサルサの牽引者の一人として、後の世代へのサルサのフォーマッティングに大きく貢献してきた、ルイス“ペリーコ”オルティス。ここ数年、プロデュース業やコンパクトなジャズ・アルバムをリリースしていたペリーコの、久しぶりに聴く華麗なサルサのオーケストレーションにワクワクである。
 プエルトリカン・マスターズに参加している面々、例えば歌手勢にはウィチー・カマチョ、カノ・エストレメラ、ムレンセのペドロ・ブルール、アポロサウンドのパポ・サンチェス、最近めっぽう元気なルイシート・カリオン他、プエルトリコを代表する楽団に浸かった人気歌手には違いないが、決してセンターラインを踏むことなく大道の脇から、シーンを支え続けているマニア好みのアーティストが集っている。
 『LA HISTORIA DE LA SALSA』というタイトルからも理解できるように、サルサを長く愛してきたファンであれば、思い出いっぱい胸いっぱいに違いないヒット曲がズラリと続く。ボビー・バレンティン「EL MU
ÑECO DE LA CIUDAD」、エディ・パルミエリ「PARA QUE ESCUCHEN」、セリア・クルース「CUCALA」「BEMBA COLORA」、ペリーコ自身の「JULIAN DEL VALLE」「DE PATITAS」、ティト・プエンテ「EL REY DEL TIMBAL」、ジョニー・パチェーコ&エル・コンデ「LA ESENCIA DEL GUAGUANCO」、ロベルト・ロエーナ、エクトル・ラボー、ティト・ロドリゲス、ローランド・ラ・セリエの各メドレー等々。サルサの大作曲家“ティテ”クレ・アロンソの楽曲を、意識的に多く取り上げているのは必然といえば必然だろうけれど、ティテ同様に昨年他界したキューバ出身の作曲家/ピアニスト、レネ・トゥゼの作品をサラリと挿入するところなんかは、思慮深さを感じさせる流石のピックアップだ。
 「サルサの歴史」を振り返ると同時に、刺激を求め過ぎたために欠乏してしまったサルサならではのサボールはどんなものであったか、そんなものを久しぶりに感じさせられたアルバム。サルサ愛に満ちた、ペリーコの言わず語らずの胸の内がしみじみと伝わってくる。(2004.1 SY)