HAILA

Haila Diferente

2004 [CARAMBA CRACD-175]
 ジャケットを取り巻く美しいデザインワーク…と、誰も言ってくれないので自賛します。
 キューバン・ダンス・ミュージック界のディーバ、ハイラ・モンピエといえば「10年に一人の逸材」などと言われ、来日経験も多く既にその評価は知られているので、取り上げる面白みには欠けるのだけれど、2004年来日記念盤の当アルバムを聴いたなら、キューバ音楽好きや以前からのハイラのファンは少なからずの驚きを感じ、もうちょっと広いカリブ海音楽のファンからは大方高い評価が聞こえてきそうだ。
 タイトルに「ディフェレンテ」と前フリがあるので、椅子から落ちるほどの驚きはないにしろ、オープニングからヤラれた感じ。ソカのリズムにメレンゲのしゃくれたニュアンスが重なり、ホーンのアレンジからはランチェラ臭がしてくる、よく聞くと不思議な味わいがする曲だ。
 ポップなバチャータ、ロック調のチャチャチャ、タンボーラもグィラも聞こえてこないメレンゲや淑やかなバラーダが続き、そのめまぐるしいコントラストから、プロデューサーであるダビ・カルサードのしてやった感のあるニヤついた顔が目に浮かぶ。随所に現れるイスパニョーラ島の音楽エッセンスは微妙に現地のものとズレがあるのだが、これも計算ずくなのだろうか。チャランガ・アバネーラを率い、風雲児としての側面が肥大したが、どうもここ数年クリエーターとしてのバイオリズムが再び高まっているような気がする。
 またこうした「違った」ハイラばかりではなく、サルサ〜ティンバ的なアプローチや最終トラックのアカペラなど、抜群のフィットを感じる曲ももちろん押さえられていて、このあたりは既に貫禄すら伝わってくる。
 バンボレオで腰の入ったティンバを歌い、伝統的なトローバや、ディープ・ルンバを例とした先端的なシーンでの活躍、ハイラ・モンピエはこれまで様々なフィールドに身を投じて、実力と評価を手にしてきた。本作ではカリビアン・ポップを歌うハイラが披露されたが、こう様々なヒキダシを見せつけられると、次作が楽しみになってしまうではないか。(2004.9 SY)