SONCAFE

Bailando con... ¡Azúcar!

2005 [BKS 18902]
 レイ・バレット、カチャオ、そして何と言ってもセイス・デル・ソラールのメンバーとして、ルベン・ブラデスのバックを長年務めていたことで知られる、ニューヨーク・ラテン界のマスター・ティンバレーロ、ラルフ・イリサリー。近年は自ら率いる“ティンバライエ”で、若手の腕利きたちと共にエッジの効いたラテンジャズを展開しているが、また新たなアンサンブルを立ち上げ評判を呼んでいる。“ソンカフェ”今度はサルサ。
 “Bailando con...
¡Azúcar!”の文字が書かれた、ラテンのレコードの定番を匂わせるレトロなジャケットは、一曲目を聴けば即座にナルホドのひとこと。マニー・オケンド&リブレ他、ハードコアなシーンへの出動が多いベテラン、ホルヘ・マルドナドと共に、若い女性歌手がソノーラ・マタンセーラを意識した古風なアレンジに乗せて、セリア・クルースを彷彿とさせる堂々の歌を披露する。このエルサ・オスナという歌手は初めて聞く名だけれど、納得「アスーカー!」なわけだ。(※サルサファンには説明不要「Azúcar!」はセリアのトレードマーク)
 演奏陣はと言えば、エドウィン・サンチェス(p/arr)、レイ・マルティネス(b/arr) 他、サルサの世界ではよく知られた経験豊富な才能が名を連ねている。ラルフ・イリサリーと共にパンチの効いたパーカッションを聞かせるマーク・キニョーネスは流石を感じさせるし、ソン・イスレーニョのリーダーとしてユニークな活動を続けるトレス奏者ベン・ラピドゥスも、大きな存在を示している。
 曲はコンパイ・セグンドの名唱で知られる「Ser
á Cuando Tú Digas」に始まり、セプテート・アバネーロやポロ・モンターニェス他、キューバのソンの名手たちの作品を中心とした内容。単なるクラシック・アレンジではなく、バチャータからサルサになだれ込むようなユニークなものや、ミュージシャンの個性が反映したソロワークもあって、創意工夫は忘れない。キューバへの強い嗜好を感じさせる内容なのだけれど、サウンドはあくまでもニューヨークらしいシャープさ。
 ティト・プエンテ、ウィリー・ボボ、ラファエル・コルティーホ、ニッキー・マレーロ、ウィリー・ロサリオ…世界の偉大なティンバレーロを歌った「Cuando Se Hable」。ラルフ・イリサリーによるオリジナル・トラック「El Vacio」はセリアへのトリビュート・ソング。30数年ダンスミュージックを演奏してきたミュージシャンによる、先達への敬意とともにステージからダンスフロアに捧げる、甘く香り高いサルサ。ソンカフェのファースト・リリースに祝杯を捧げたい。(2005.2 SY)