SAKESHO

We Want Yo To Say...

2005 [Heads Up 3094]
 サケショーのセカンド。アンディ・ナレル (pan)、マリオ・カノンジュ (p)、ミシェル・アリボ (b)、ジャン・フィリップ・ファンファン (dr) のカルテットということで「なあんだ、マリオ・カノンジュそのままじゃん」と思われても仕方がないのだけれど、そこは『Carte blanche』やアンディ・ナレル『Fire in the Engine Room』あたりとは違い、ピアノやパン中心ということではないのである。アンディ・ナレルを除く3人の名前が並ぶと、ズーク・バンド“サキヨ”を思い出してしまうが、ズークを展開させているばかりでなく、アフリカ〜ラテンジャズ〜ヒップホップなど、歌えるセッションマンとしてとてつもない数のレコーディングや、シクサンなどのグループの創始に関わっているミシェル・アリボ、あるいはカッサヴ、マヌ・ディバンゴから喜納晶吉まで、ワールドミュージック〜ジャズの世界で、こちらも多くの録音に携わってきているJPファンファン、両者ともにスキルの活きたプレイが前面に表れているのだ。
 興味深いトラックを挙げると、ベナン出身の人気のディーバ、アンジェリーク・キジョーが参加するマズルカ・ナンバーは、JPファンファン作のようで、アンティーユの複雑なポリリズムをジャズドラムで表現する数少ないプレーヤーだけあって、伝統から一歩突き進んだ彼ならではの創作心あるドラミングを聴くことができる。
 また、アンディ・ナレル作曲の「Baby Step」は、グウォカのリズムアレンジが面白いが、加えて2003年にロビー・アミーンやペドロ・マルティネスらNYラテン組との東京青山で魅惑のセッションを行った、ゲストのマジック・マリックのフルートにも注目だ。
 アンディ・ナレルのスティールパンとマリオ・カノンジュのピアノのたおやかなハーモニーと、消化されたビギン、カリプソ、スカ…などのリズム。カリビアン・ジャズの完成形のひとつと言って良い作品。あとはライヴを見るだけ。(そういえばグアドループでのライヴがDVD化されていた)
 オラシオ“エル・ネグロ”エルナンデスを始めとする、USジャズ・シーンのミュージシャンとの共演も多くなり、より一層マリオ・カノンジュへの評価が高まっている中、そろそろサケショーとして来日を期待したいところだけれど…。(2005.7 SY)