V.A.

Latin Lounge

2005 [Putumayo World Music 241]
 未知なるサウンドと出会うのに、何かと重宝なプテュマヨのコンピ。今回とテーマの似た『Latin Groove』というアルバムを、同レーベルは2002年にリリースしていて、このコーナーで取り上げたシン・パラブラスのアルバムも、その『Latin Groove』を取っかかりにしたように記憶している。
 今回も「ラテン」とはいえ、血の煮えたぎるような熱いダンサブルなトラック、というような曲セレクトではなく、エレクトロニカを導入したチルアウト・ヴァイブ主体の曲/アーティストが並んでいる。
 このあたりのサウンドの代表格として、日本国内盤も発売され既に評価のあるグループ、リチャード・ブレア率いるUK〜コロンビアのサイドステッパーを除くと、注目すべきはまず、シセー。前述の『Latin Groove』にもピックアップがあった、ニューヨークのグループだ。今回収録されている「Mariposa (en Havana)」という曲は、以前に耳にしたことのある曲だけれど、確かもっとタイトなリズムアレンジだったような気がする…と思っていたら、2005年の新バージョンということらしい。ダウンテンポのヒップホップに乗った、キャロル・Cの浮遊感のあるボーカルがとても素敵だ。
 キューバ出身のロベルト・ポペーダも、フロリダのラテン音楽シーンのなかで、最近ハビエル・ガルシアと共に期待している新しいアーティスト。2004年に『Son Electrico』という理解しやすいタイトルの付いた1st ソロアルバムをリリースしている。キューバの伝統ソンと、ジャズ、エレクトリック・ギターの関係が、マヌエル・ガルバンやマーク・リボーを思い起こさせるが、焦点はトロバドールとしての才能にあるので、彼らほどアク強い個性をギターに求めてはいけないのかもしれない。今後の展開がとても楽しみなシンガー・ソングライターだ。ハスキーな声もグー。
 もうひとつ、チャランガ・ケークウォーク。彼らを知ったのも確か今年になってからのことで、名前からしてチャランガ・バンドかと思っていたが、ショップの試聴で見事に予測は裏切られた。このアルバムで取り上げられた「Carmela」という曲は、アラゴン由来の伝統チャ・チャ・チャの味わいをどことなく残した曲だけれど、クンビアを導入したメキシコ臭のする曲が、実際の彼らに多いスタイル。この『Latin Lounge』のテーマにピッタリとはまったトラック。
 その他、ローマ拠点のアラクランや、新世代タンゴの注目株として度々名の挙げられるアンドレス・リネツキーなど、タンゴからのアプローチにユニークなものが多かったのが印象的だ。(2005.08 SY)