MiMa

Mima

2005 [Mami 001]
 コロンビア出身のマルタ・ゴメス、あるいは彼女が絶賛するキューバのヘマ・イ・パベル。また、ヘマ・イ・パベルと友好が深く、先日の初来日で期待を超えるライブアクトをみせてくれたジューサ。ニューヨークのガブリエラ・アンダースやブラジルのアドリアナ・カルカニョット…。都会的かつオーガニックなラテン・ミクスチャーを聴かせるシンガー・ソングライターに、思いつくアーティストの名は様々だ。それぞれ個性豊かな作品によって、目の離せないフィールドを形作っている。
 比較的コンサバと言われるプエルトリコにもこうした動きは当然あって、そのなかで注目したいのが、このソロデビュー・アルバムをリリースしたミマ(MiMa)ことジャリミール・カバン。フィーリン、MPB、R&B、エレクトロニカなどの素材を、抜群のセンスでまとめあげた、非常にクオリティの高いデビュー作である。
 アルバムの音作りに大きく貢献しているのは、彼女が在籍していたことのある、同郷のレゲエ・バンド、クルトゥーラ・プロフェティカのギタリスト、オマール・シルバ。レゲエとはいえ元々クルトゥーラ・プロフェティカ自体、ルーツ系のサウンドにファンクやラウンジ型のエッセンスを持たせた、オルタナティブなサウンドなので、意外さを感じることではないのだろうけれど、このジャズ・アプローチが効いたアコースティックなアルバムのプロデュースににじみ出た、オマール・シルバの懐にはちょっと驚かされた。
 曲によって管やストリングス、控えめにサンプリングなどが入るものの、基本的にピアノ、アコースティックギター、ウッドベース、ドラムといった、音数を絞ったシンプルな編成。トラック#5「Santo Camino Furtivo」のようなキッチュな作品には、特にベストマッチを感じたりする。#8「Mima」#10「Monin」あたりを筆頭に、表情豊かな歌を投げ込んでくる力も、デビュー作とはいえアンダーグラウンドなシーンでのキャリアの積み重ねによる熟達も感じる。
 プエルトリコとニューヨークを活動の拠点とする、ミマの今後の活躍に期待大だ。(2005.11 SY)