SI*SE

More Shine

2005 [Fuerte MOB1303]
 ニューヨークのハウス系ラテン・ミクスチャー要注目バンド“シ*セー”が、セカンド・アルバムをリリースした。2001年にルアカ・ボップからリリースされたデビュー・アルバムの衝撃に始まり、コンピレーションCDやネット配信などで新曲を聞かされながら、じわじわと待たされたアルバム・リリースである。
 彼らの言葉を借りるなら「ヒップホップ・ビート、ラテン・リズム、ダウンテンポ・エレクトロニックなど、我々の生活に普段からあるニューヨーク・トラディションのブレンドを試みた──」音ということになるが、過剰な演出のない独自の平衡感覚を持ったサウンドは、アルバムタイトルのようにより一層の輝きを放っている。
 あまり紹介がないので成り立ちに少し触れると、シ*セーはニューヨーク・アンダーグラウンドシーンでは、ちょっとは知られた存在であった、ドミニカ系のDJキャロル・C (vo) が、かねてからの望みであったバンド活動を実現するために、1999年にU.F.ローことクリフ・クリスタファロ(key, prg) と共に立ち上げたグループ。英西バイリンガル的なニュアンスと、二人の共通イニシャルC.C.を引っかけてシ*セー
Si*Sé となったらしい。5〜6曲のデモテープがルアカの目にとまり、アルバムデビューとなったようだ。他メンバーは、ライアン・ファーレイ(dr)、モーグロック(b)、ネイル・オチョア(perc)、ジーニー・オリバー(va)。
 前作では、ソンやレゲエのアプローチと他との間に、ちょっとした隙間のようなもの(キャロル・Cのセンシュアルな歌の魅力は、そんなものを覆い尽くしていたのだけれど)を感じていたが、今回の作品ではバンドの音としての整頓が付いたのか、非常にまとまり感のある仕上がり。その大きな理由には、ビオラのジーニー・オリバーのポジションが大きくなったことが挙げられるだろう。既にクラシックでのキャリアを持つ、ジャマイカとバルバドスの両親を持つミュージシャンということだが、バンドサウンドを特徴づけるユニークな存在だ。
 イルマ・ライクなブラジリアン・ラウンジ、オーガニックな3拍子フォーク、リムショットが小気味よいレゲエ、フリーソウル…。クラブミュージックとしての斬新さよりも、バンドの個性や心地よいグルーヴにポイントを置いた方向性は正解。欲を言うなら、もう少しエスノな雰囲気が強くても良かったのではないだろうか。今後も大注目のバンド。(2006.2 SY)