CONJUNTO CLASICO

Si Ella Estuviera

2006 [Machete B0007441]
 コンフント・クラシコが10年ぶりに帰ってきた!そんな嬉しい気持ちでいっぱいだ。もちろんこの10年リリースがなかったわけではないのだけれど…。
 1995年にRMMからリリースされた『
Clásico De Nuevo』、続く1997年『Ray Castro's Clásico』は、半ば狂信的なクラシコのファンだった私をガッカリさせる内容で、売れっ子プロデューサー主導の当時のサルサのトレンドに、クラシコも呑み込まれた印象だった。そこには創始者のひとりである、サウンドの支柱ラモン・ロドリゲスの名前も見あたらない。作品が悪いというわけではなく、クラシコらしさを感じさせない録音だったのだ。
 6年ぶりに25周年記念として出された2003年のアルバムも、ラモン・ロドリゲスは戻ってきたとはいえ、大手からリリースされた割には雑な作りで、黄金期のフロントを迎えてのあくまで企画・商業的な内容だった。
 そして今回のアルバム。名物のコーラスワーク、トランペットのアンサンブル、トレスがぐいぐいと引っ張っていくノリ感…すべてにおいて、'80年代のクラシコが帰ってきた感じだ。ティト・ニエベス、ジョニー・リベーラ、ラウリン・ロセンド、ドミンゴ・キニョーネス、ラファエル・デ・ヘススなど、多くの歌手がブレーク前に関わってきたバンドのフロントには、実力派エクトル・ルイス・パガン(ラ・エクセレンシア)が着任している。
 アルバムには2曲ほどのセルフカバーがあるが、例えばヒット曲「
Señora Ley」なんかは、ティト・ニエベスによる情感のこもったオリジナルも捨てがたいが、凝ったコーラスが冴える新アレンジも、よりクラシコらしさを感じさせてくれる。久しぶりにズラリと並んだラモン・ロドリゲス作曲のトラックを改めて聴くと、名作曲家たる所以が窺えるだろう。エクトル・ルイスが唯一作曲した、美しいボレロの前後のトラック「El Malcriao」「El Asunto」「Dándole」なんかは堪りません。
 名曲「Pau Pau」の間奏が入った最終トラックはサービスしすぎじゃないだろうか?
 これぞクラシコ! これぞサルサ! レイ・カストロよ、頼むぞ!(2006.9 SY)