PACHA MASSIVE

All Good Things

2007 [Nacional Records 68484 / MUSIC CAMP BG-5042]
 パチャ・マッシヴのデビューアルバムは、アテルシオペラードスやノルテック・コレクティヴなどをリリースしている、ナショナル・レコードからの発売となった。
 ニューヨークのラテン・エレクトロニカというと、個人的にはシ*セを真っ先に頭に浮かべる。しかしパチャの方は、シ*セのようにヴィオラを用い、テンポを落としたエレガントなサウンドとは違って、エレクトリック・ギターとキックの強さが印象に残る、ややロック的なアプローチが多いようだ。
 パチャ・マッシヴ。Pachamama(母なる大地)にネーミングを由来しているようで、ドミニカ共和国出身のプロデューサー、DJ ノヴァと、コロンビア出身のベーシスト、マヤのデュオがオリジナルメンバー。ノヴァ(ラモン・ノヴァ)は、実は過去にシ*セでも手腕を振るっていた経験もあり、キング・チャンゴのレコーディングにもメンバーとしてクレジットされている、既に東海岸のオルタナ・シーンではキャリアを積んでいた人物。一方マヤは、キューバでベースを学び、コロンビアン・トラッドからエクトル・ラボー、マヌ・チャオ、サイドステッパーなどが好き、という惚れてしまいそうな嗜好を持った女性。バンドはラテン・オルタナティブ・ミュージック・カンファレンスの2005年のコンテスト優勝(過去にはキンキーも受賞)によって注目され、オゾマトリやイェルバ・ブエナら、フィールドの大物と共演を重ねてきた。
 種々のラテンリズムやハウスミュージックをミックスする中に、故郷の、それも極フォルクロリックなエッセンスを含めていることは、彼らの個性を高めている要因のひとつだろう。アルバム2曲目の「Oye Mira」では、伝統クンビアなどで用いられる縦笛ガイタなども用いられ、ノヴァ自身もアフロ・ドミニカ祝祭音楽、パロやガガーにも影響があるとのこと。
 ラテン・オルタナのシーンをますます盛り上げてくれるだろう、期待の新星の登場だ。
(日本人顔の売れっ子リード奏者、ヴィンセント・ヴェローソが録音に参加しているが、彼がフィリピン系ということを今回知った)(2007.02 SY)