RICARDO LEMBO & MAKINA LOCA

Isabela

2007 [Mopiato Music MOPI-2]
 リカルド・レンボの5作目。デビュー以来アルバムを聴き続けているけれど、内容の良さは尻上がりだ。彼の主たるフィールドはずっとL.A.サルサ・シーンにあるが、その作品は同じフィールドのグループのものよりも、俄然創作心が豊かだ。もはやスークースをやる「サルサのアーティスト」という感覚は、個人的には持っていない。
 いつも通りキューバ出身のマルチ・プレーヤー、ヘスス“エル・ニーニョ”ペレスがキューバン・マナーのディレクションで手腕を振るっている。チャランガ・ナンバーでは、アルフレッド・デ・ラ・フェ(vl) や、若手キューバ人ラッパー、キューバニート(クバニート20.02ではない)も加わり、アルバムの目玉のひとつとなっている。
 また、コンゴ(旧ザイール)のスター、故フランコの曲を取り上げているが、同じOKジャズ出身のパパ・ノエルも、4曲で伝説のギターを披露してくれている。幾つかのコンゴ・ルンバが雰囲気たっぷりだ。
 リンガラ、キコンゴ、スワヒリなどのアフリカ言語、スペイン語、ポルトガル語など、様々な言葉を用いるリカルド・レンボだが、興味深いのはポルトガル語だ。近年になってのことだが、何故ポルトガル語を熱心に用いるようになったのだろうか。
 リカルド・レンボはコンゴ出身だが、彼の祖父はアンゴラの人なのだという。アンゴラはポルトガル領だった国なので、彼にとってアンゴラ・スタイルの曲にタッチすることは、故郷巡りにあたるわけだ。カーボヴェルデの音に通じることもあり、セザリア・エヴォラのゴッドドーター、マリア・デ・バロスが参加しているのも、そんな理由から来るのだろう。彼女の名前は、マラヴォワのヒットチューン「Caresse Moin」のカバーで記憶している。
 ブガルー(と呼ぶには相応しくないが)、ルンバロックにスークース、ソンなど過ぎるほど豊富なバリエーション。リカルド・レンボにとっては、どれもが自分のルーツにある音楽要素なのだろう。ラストはジャンダン・エルチェティン2000年のCDタイトルトラックのトルコ語ソング。本人参加ではなく残念。しかしコンゴは複雑です。(2007.04 SY)