CHICHA LIBRE

¡Sonido Amazonico!

2008 [barbes]
 チチャ・リブレ。かつてルチャに拳を握りしめた者としては、放っておけない言葉の響き。でもチチャということはペルーもの、ということは容易に理解できる。リマのような都市部に、山間地域から出稼ぎに来ている労働者たちの音楽だ。『ソニード・アマソニコ』というのも、チチャのヒットソングの引用かと思うが、コロンビア産のクンビアが1970年代にペルーのアマゾン流域で流行したことに基づいたタイトルだろう。
 ジャケットの裏側にはブルックリンのレーベルのクレジット。物好きなレーベルが、かつて一世風靡したチチャのバンドをコンパイルしたアルバムか、と思ったら様子が違う。ショップの試聴コーナーで聴くや否や、ヤラれてしまった。このダダ漏れユルユルのサウンドは、かつてグレッグ・リボー "Cumbia y Mas" に似たときの確信犯的な脱力感。一聴すれば、すぐに現地のものではないことが分かる。
 家に帰りパッケージを開けると、はーん。存じ上げないメンバーがほとんど。でもパーカッションを担当しているグレッグ・バロウズは、ニューヨークで働いているジャズ・ドラマーとして、目にしたことがある。他のミュージシャンの名前も、ほぼ非ラテンで、もしかするとラテンから外れた分野で、よく知られたミュージシャンたちなのかも知れない。(どうやらメンバーのオリビエ・コナンという人が、このレーベルのオーナーらしい)
 クンビアのリズムに、ドイツ製アコーデオン、ギター・サウンドという、チチャ必勝パターンには違いない。がしかしワイノっぽさは無いし、ギターもいやにサーフロックぽく、場合によってはカレー風味さえする。エリック・サティ「グノシェンヌ第1」のカバーまである。新鮮かつマニアック。さすがニューヨークです。(2008.04 SY)