CHARLIE CAJARES

Demente

2008 [Bacanos]
 “アボガド・デ・ラ・サルサ”。気をつけてくれ「アボカド」じゃないぞ。アボガドは「弁護士」のこと。彼はサルサの歌手/作曲家/打楽器奏者であり、弁護士でもあるのだ。
 ニューヨークを拠点とする、カリ(コロンビア)生まれのサルセーロ、カルロス“チャーリー”カハレスを聴けば、サルサファンの多くは、ドミンゴ・キニョーネスの声を思い浮かべるに違いない。テンション高い中にあっても、余裕綽々の感じが伺える、強靱なハイトーン・ボイス。ティンバル・プレイにも熱心さを感じさせる、この音楽にかなり勤勉なミュージシャンと睨んだ。ラテン・ブラザース、エストレージャス・デ・ニーチェ、オルケスタ・ラ・フーガなど、コロンビアの知られた楽団に在籍した経験があるという。
 ホセ・ルーゴ、リッキー・ゴンサレス、ルチョ・クエト、イシドロ・インファンテなど豪華アレンジャーの起用、演奏陣にマキシモ・ロドリゲス(b)、ルベン・ロドリゲス(b)、ルイシート・キンテーロ(perc) 他、コロにアリス・マルティネス、ジョー・キングなど、絵に描いたようなニューヨーク・サルサのスタイリングにあって、グアコ&ヒルベルト・サンタ・ローサの共演ヒット "Ya No Eres Tu" は若干のバジェナート風味でカバー、最終トラックにクンビアトンなど、コロンビアーノの主張も忘れない。
 前述のグアコの他、アルゼンチンのバラード歌手サンドロや、フスティ・バレートのグアグアンコー曲などのサービストラックもあるのだけれど、チャーリー・カハレス自身による、オリジナル楽曲の良さにも注目したい。
 正統派故にインパクトに欠けるかも知れないが、献身的な姿勢が伝わってくる、実力を備えた才能あるサルセーロのお目見えだ。(2008.09 SY)