RAMON RODRIGUEZ

El Bautizo

1990 [DayDance 1001/DD/90CD]
 哀愁漂うメロディラインと、トレスを前面に古典的かつダンサブルなサルサで、ニューヨークの夜のラテンミュージック・シーンを彩ってきたコンフント・クラシコ。最近はレイモンド・カストロ仕切る「新しい」クラシコになり、メンバーのクレジットから伝統尊重派の名前が消え、「古い」クラシコのファンとしてはたいへん寂しい限りである。ニューヨークの華やかなダンス・バンドとして新しいファンも獲得していかなければならない、ということなのだろうか。
 ジョニー・パチェーコのグループでも重要な役割を担いながら、フリオ・カストロ率いるマサクレ、ジョニー・ロドリゲスやホセ・ベージョのオルケスタ、あるいはラウリンのシンフォニカ・デ・ラ・サルサ等のユニットで独自の世界を創り上げ、ロバトン、フェルナンド・エチャバリアといった、アンダーグラウンド(失礼!)なアーティストのサポートも行ってきたラモン・ロドリゲス。コンフント・クラシコの "言い出しっぺ" であり、どこか懐かしいようなプエルトリコのフォルクローレをすくい上げて甦らせてくれる、偉大なるメロディ・メーカーであり、名シンガーであり、プロデューサーである。
 当アルバムはラモン・ロドリゲス自身のソロ2作目である。ホーンはトランペットのみのコンフント・クラシコとは逆に、トロンボーンだけの編成。前作 "Nuevas Ideas" にくらべて極めて印象が華やかになったのは、決してメンバーが豪華になったとかシンガーを2人にしたとかではなく、名アレンジャー、ホセ・フェブレスの力量によるものが大きいであろう。
 のちにナヒーラの歌でルイス・ペリーコ・オルティスが磨きをかけた "La Perra" を含む全8曲。とかく歌手の個性だけで客を引っ張り込もうとするサルサシーンのなかで、曲のアイデアで我々を楽しませてくれる数少ない音楽家の動向に注目してほしい。(1997.11 SY)