GUACO

Lo Mejor De Guaco

1990 [Sonotone 1439]
 カリビアン・ミュージックのなかで、クリエイティブという言葉が最も似合うのがベネズエラの人気グループ、グアコである。アルバムごとに実験的な要素を取り入れ、既存の枠にとらわれないグアコの自由なコンセプトと反骨精神は、30余年常に一貫して変わらない。
 近年は、ジャズ・ファンクの要素などを取り入れたスタイリッシュなサウンドで、「スリア臭さが無くなった」と評価も高く、ゆえにかつてグアコを通してガイタの魅力に取り憑かれたファンにとっては一抹の寂しさを感じるかもしれない。しかし、あくまで彼らのベクトルは常にカリブを指しているのが何よりも素晴らしい。
 さて、当アルバムは80年代の曲を中心とした、90年にソノトーンからリリースされたベスト盤である。
 このアルバムで注目したいのは、やはり84年のヒットナンバー "UN CIGARRITO Y UN CAFE" だ。チャランガをヒントにしたであろうバイオリンアンサンブルと、ガイタのリズム、マンボっぽいホーン・アレンジはこの時代のグアコ特有の持ち味である。
 メレンゲナンバー "DISCULPAME PERO PERDONAME" や伝統的なソン "ATRACCION FATAL" など、グアコの多芸ぶりを知るにはもってこいの選曲が施されているが、"LAS CHICAS DE MIAMI" は彼らのヒットナンバー "ME GUSTAN LAS CARAQUE
ÑAS" のマイアミ・プロモーション用の曲で、原曲のほうがはるかに素晴らしいので、こちらを選曲してほしかった。
 ここ数年、ニューヨーク・サルサを中心に、様々な形でキューバのソンゴを取り入れたサウンドがもてはやされているようだが、このようなアレンジの方向は、とうの昔にグアコは行っている。
 おそらく、彼らはこれからもアバンギャルドなサウンドで我々を楽しませてくれるに違いない。そしてたまには、かつてのグアコ特有のスピード感あふれるガイタ・スリアーナを聞かせてくれると尚嬉しい。(1998.01 SY)