RIO SALSA

Rio Salsa

1997 [Albatroz 3208001-1]
 あらゆる手段で様々なところからCDをかき集め、その分野を把握しているつもりでいたのに、意外なところで面白い音源を取りこぼしていたのを知り、愕然とすることがある。狭い流通網を突破して私の手元に届けられるCDのなかにも、たまにこういったインパクトのあるアルバムにお目にかかる。
 このリオサルサを聞く以前にブラジルのサルサグループのサウンドを聞いたことはあったが、正直なところ満足させられるものではなかった。普段サンバやボサノバを演奏しているグループが「ちょっとサルサを演ってみるべし」という程度のものなのだ。チャランガ・バジェナータ、メレンボンバ、クンビア・ボンバ、ラガ・ズーク… 中南米世界では、異なる音楽やリズムの実験的な融合などは日常茶飯事で、ソンゴのようなニューリズムを生む反面、陳腐な音楽を生んでしまうことも少なくない。
 リオサルサのスタイルは、単に「サンバとサルサをミックスさせよう」などという安直なものではない。共に西アフリカのヨルバ信仰である、キューバのサンテリアやブラジルのカンドンブレと正面から向かい合い、ニューヨークのラテンやジャズに取り組んできたプレイヤーたちであることがこの1枚で理解できる。かといってカビの生えたような古い音楽をやっているわけではなく、新しいものへのチャレンジ精神で満ちている。
 伝統と革新を激しくフュージョンさせ、ときに荒削りでありながら骨太なサウンドを聞かせてくれるリオ・サルサは、これから何か大きなことをやってのけそうな気配を持つ、たぐい希なグループである。(1998.06 SY)