WILLIE COLON

American Color

1990 [CBS DISCOS 80351]
 アミルカル・ボスカーン...。ベネズエラの人気バンド "グアコ" の元メンバーとして、古いファンには馴染みある名前であろう。エクトル・ラボーを彷彿とさせる、フラフラした歌いまわしと優れた即興性を売りにする歌手兼作詞・作曲家だ。このアミルカルのソロアルバムが先日発売されたが、プロデュースはかつてエクトル・ラボーを世に送り出した盟友ウィリー・コローンによるものだ。
 アミルカル・ボスカーンとウィリー・コローンの関わりはこれに始まったわけではなく、90年代のウィリーのアルバムには多くの曲をアミルカルは提供している。(作り手とプレーヤーの関係では近年最高のコンビネーションと個人的に確信している)今回このコーナーで取り上げるウィリー・コローンの「アメリカン・カラー」に収録されている8曲中3曲はアミルカルの手によるもの。
 この「アメリカン・カラー」は、変化に富んだアレンジという点で、ウィリー・コローンの数多いアルバムの中で一層華やかな雰囲気を持っている。ウィリー・コローンならではの影のあるメロディラインと平行してブンブンと唸るベースとティンバル・ソロが印象的な "AEROLINEA DESAMOR"。名アレンジャー、マーティ・シェラーによる "COLOR AMERICANO" はアミルカル・ボスカーンのメッセージ色の強い歌詞とエレガントなコロが特徴的なソン・モントゥーノ。"ME VOY"、"CARMERINA" の2曲のメレンゲ・ナンバーに挟まった "ESTOY POR TI REZANDO" はイシドロ・インファンテのアレンジによるダンス・チューン。"HASTA QUE TE CONOCI" はドラマティックな展開を持つ名曲中の名曲のバラーダ〜ボレロ・ナンバーだ。
 また、ボビー・アジェンデ、マーク・キニョーネス、リト・ソトといった打楽器プレーヤー陣が軽快でヌケのよいサウンドを放っているのもこのアルバムの忘れてはならない特徴であろう。
 リリース以来年月は経つものの、飽きの来ないアルバムとしてラテン音楽ファンに広くお薦めする名盤。(1998.11 SY)