JOHNNY POLANCO
y su CONJUNTO AMISTAD


L.A. Amistad

1997 [Tonga TNGCD7303]
 「名前も顔も知っているが、彼らのサウンドは聞いたことがない。」ファーストアルバムがリリースされるまで、西海岸を除いた多くのラテンミュージック・ファンがそう思っていたに違いない。
 そのジョニー・ポランコ&コンフント・アミスタのデビュー・アルバム "L.A. Amistad" がリリースされたのはつい3年ほど前だが、彼らが "エル・フロリディータ" と呼ばれるハリウッドのキューバン・レストランにレギュラー出演していることは、私自身もかなり以前から知っていて、トレス奏者(実際のジョニー・ポランコは、トレス、クァトロ、バイオリン、トロンボーン、とマルチプレーヤー)が率いるタダモノではなさそうな風貌のコンフント・スタイルのバンド、ということだけで非常に気になる存在であった。ソノーラ・マタンセーラ〜ジョニー・パチェーコ、80年代のコンフント・クラシコ、あるいはキューバのシエラ・マエストラといった、アップテンポのグアラーチャなんかを得意とするバンドに妙に惹かれる部分があり、このジョニー・ポランコ&コンフント・アミスタッドも、そのようなフェロモンを醸し出していたバンドであったのだ。
 で、"L.A. Amistad" から飛び出てきたのは、紛れもなく期待通りの魅力的なサウンドだったのだが、アルセニオ・ロドリゲスの曲調を中心にチャランガ・スタイルやサルサ・ロマンティカ、軽快なマンボまで、芸幅の広い「馴れた」音づくりは、やはり多くの現場をくぐり抜けてきた人間の成せる技を感じさせる、予想以上のものであった。
 ニューヨークで、エル・コンデやジュニオル・ゴンザレスらのバンドで演奏していたジョニー・ポランコが、どういう紆余曲折があって活動の場を西海岸に移したのか深いところは分からないが、「ニューヨーク・スタイルのサウンドでダンサーを満足させる」(彼らの広告上のキャッチフレーズ)という言葉の通り、サルサ第一世代からの直系的なサウンドは、現在多くのラテン・ミュージック・ファンが望んでいる希少な分野でもある。(1999.12 SY)